Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第21章 奈落
「ハンジ?!」
その時、茂みからハンジがマルロとヒッチと共に現れた。
ハンジが新聞記者やリーブス商会のフレーゲルなど数々の協力を得ることに成功し、エルヴィンたちのクーデターもあってか、調査兵団の冤罪は晴れたという事実を知らせに来てくれた。
「王都も行政区もザックレー総統が仮押さえ中だ。今のところ貴族たちの反乱は起きてない。我々は自由の身だ」
「ハンジ!!!」
「ルーナも無事でよかったよ!」
ルーナはハンジと抱き合い喜びを分かちあった。
「喜ぶのはまだ早い。エレンとヒストリアはまだ別の場所にいる。早いとこ見つけねぇとこの革命も頓挫しちまう」
リヴァイが鋭い目線を向けてきた。
「エレンとヒストリアの居場所は心当たりがある。どうやらこれに賭けるしかなさそうだね。この戦いはそこで終わりにしよう」
ハンジの導き出した場所に全員で赴くことになった。
「お前はエルヴィンの元へ行け」
突然リヴァイがルーナに言い放った。
「は?!何言ってるの?」
今日のリヴァイは何度もそんなことを言ってルーナだけ危険の及ばぬ場所に居させようとする。
納得できなかった。
「お前はその怪我じゃ無理だ」
「大丈夫だって言ってるでしょ!リヴァイずっとそんな調子でおかしいよ!」
「足でまといだと言ってるんだ」
リヴァイは眉に皺を寄せ、冷徹な眼光で見下ろしてきた。
そんな2人を真剣な顔で見つめながら、ハンジはゆっくりとルーナの肩に手を置いた。
「ルーナ。これから私たちが向かった先では対人立体起動を付けた敵も、もしかしたら巨人もいるかもしれない...何が待ち受けているかわからないんだ。怪我をしていたら一溜りもないかもしれない...分かるだろ?リヴァイの言いたいことも分かってやってくれ...」