Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第21章 奈落
「・・・そんな...みんなを置いて私だけ戻るなんて...できないよ...」
ルーナはアルミンやミカサたちを見た。
それに気づいた彼らはルーナの前に並んだ。
「俺らは大丈夫ですよルーナさん」
「そうですよ!ルーナさんの分までしっかりやって来ますからっ!」
ジャンとサシャの言葉に習うように、ミカサとコニー、アルミンも声を上げた。
「絶対に、エレンたちを連れて戻ってきます」
「自分の教え子を信じられないんですか?ルーナさん!」
「僕たちを信じていてください」
「・・・みんなお願い...お願いだから...全員で戻ってきて...」
ルーナの前に並んだ5人が黙って左胸に拳を置いた。
その瞳は決意の炎を宿しているかのように真剣だった。
ルーナは下唇を噛み、不安な表情を隠しきれないまま敬礼を返した。
最後にルーナは、歩き出したリヴァイの腕を掴んだ。
「待ってリヴァイ...お願い...必ず帰ってきて...」
泣き出しそうな懇願するような表情のルーナにリヴァイも一瞬顔を歪ませる。
「...大丈夫だルーナ。俺を誰だと思ってる」
「・・・」
何も言えなくなっているルーナを安心させるようにリヴァイは優しい眼差しでルーナの頭を撫でる。
ルーナは固まったままただただリヴァイを不安の表情で見つめることしか出来ない。
「行ってくる」
それだけ言って踵を返した。
今抱き合ってしまったら、お互い離れられなくなってしまう。
リヴァイもルーナも精一杯自分を抑制した結果だった。