Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第21章 奈落
頭にリヴァイの手が乗るのがわかる。
「中に入るぞ」
いつもの優しい声だ。
ルーナはそっと頭にあるリヴァイの手を取った。
いつもの暖かい手だ。
こうしてリヴァイに触れるだけでなぜこんなにも安心するのだろうか。
「私は怖い。もうこれ以上傷つきたくない」
リヴァイを前にするとなぜこんなに弱音を吐いてしまうのだろうか。
以前の自分はこんなではなかった。
リヴァイに出会ったことで、全くの別人になってしまったみたいだとルーナは自覚していた。
リヴァイにそっと抱きしめられるのがわかった。
いつもの固く厚い筋肉に包まれる。
「先のことなんて誰にも分からないのに何に傷つくってんだ?そんな弱腰でいても現状はなにも変えられない。」
リヴァイがルーナの耳元で囁く。
「・・・わかってる...」
消え入りそうな声をなんとか振り絞った。
「落ち着いたら2人でなにか楽しいことでもしよう。お前はそれだけ考えてろ」
リヴァイは、勇気づけるように言ったが、本当は誰よりも先のことを怖がっているのは自分自身だと自覚していた。
ルーナを絶対に失いたくない。
これ以上傷を負わせたくない。
できることならルーナだけでも安全な場所に隠していきたい。
だがそんなことは叶わないことはわかってる。
だからせめて俺が命を懸けて守ろう。
たとえ俺の命に変えても。絶対に。
リヴァイは決意を固くするように、ルーナの体を強く強く抱きしめた。