Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第21章 奈落
「こんなところにいたら危険だ。中に入れ」
リヴァイの冷たい声が頭上から降ってきた。
ルーナは振り返りもせずにうつろな目で星を眺め続けた。
思考がなかなか回らない。
こんなに頭がボーッとすることは初めてだ。
振り向く気力すらない。
微動だにしないルーナの横にリヴァイは腰を下ろした。
ルーナは生気が抜けたような表情をして空を見上げている。
「あのロン毛のことは残念だった。だがお前が生きててくれて本当によかった」
リヴァイは空を見ながら本音を発した。
「・・・私は...どうしていつも生かされちゃうんだろうね...」
「お前がまだ死ぬべきじゃないからだろ」
「どうしてリヴァイはそんなに強くいられるの...」
ルーナの声は震えている。
「俺は別に強いわけじゃない。決断が早いだけだ。」
「人を殺すのも...躊躇しないって...こと...?」
「当然だ。敵なら容赦しない。俺は地下にいた時から人間なんて普通に殺してきた」
「・・・」
そうだったんだ...
私とは生きてきた世界が違う。違すぎる。
だからリヴァイのことを考えるのはやめよう。
考えたってわかるはずない。
ルーナは今絶対に出られない奈落の底に突き落とされている気分だった。