Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第21章 奈落
逃げ切った先の小屋で、残った者たちだけで火を囲む。
ルーナは腕と脚の止血をし、リヴァイの傷の手当をした。
「お前の手はもう汚れちまったんだ。新しい自分を受け入れろ。今もまだお前の手が綺麗なまんまだったらな、今ここにジャンはいねぇだろ。お前がすぐに引き金を引けたのは仲間が殺されそうになっていたからだ。
あそこで物資や馬、仲間を失えば...その先に希望は無いのだと理解していた。お前が手を汚してくれたおかげで俺たちは助かった。ありがとう」
人を殺した罪悪感に苛まれるアルミンにリヴァイは何食わぬ顔で言い放った。
なぜそんなに強くいられるのか?
ルーナはリヴァイのことを実は何も知らないのではないかという気にさえなっていた。
今日は月も星もよく見える夜だ。
よりにもよって、こんな日に。
ルーナは1人小屋から離れ、木にもたれかかり、ボーッと星を眺めた。
シンがあの時、自分を庇って死んでしまった。
また命を救われてしまった。
なぜ自分は生き残ってしまう?
シンはもうこの世にいない。
星になってしまった。
遺体は今頃きっと憲兵たちに回収されているだろうか...
また1人大切な人を失った
こんなに一瞬で。
まだまだたくさん話したかったし、あの笑顔を見たかった。