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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第21章 奈落


しかし現状はそんな時間もそう長いこと与えてはくれない。

拠点は何者かによって制圧され、なんとか逃げ切り、街に紛れ込んだリヴァイ班はエレンとヒストリアを攫われてしまった。



そしていくら祈っていたってなんの意味もないことだって分かっている。


死というものはなぜこうもあっけなく訪れてしまうのだろうか。


そしてなぜこうも安らかにはいかないのだろうか。





斜め前方の屋根にはリヴァイと二ファがいる。


ルーナとシンがエレンとヒストリアを乗せた馬車を屋根に隠れて目で追っている時だった。


「二ファ!!!!」

リヴァイの声と共に銃声が鳴り響き、ルーナとシンは急いでリヴァイたちの屋根を確認した。

二ファが撃たれている。


「リヴァイ!!!」

ルーナが叫んだのと同時に、自身の身体に突然シンが覆いかぶさった。






ドドドドド!!!!

耳が避けるような銃声が目の前で鳴り響く。

しかしルーナの視界はシンで閉ざされていて真っ暗だ。



ルーナが声を出す間もなく、覆いかぶさってきたシンの体が徐々にグッタリと体重をかけてくるのが分かった。


「シン!?!?」


「逃げろルーナ!!!!!」


遠くから聞こえるリヴァイの声にルーナは目の前のシンを押し退け急いで別の屋根に飛びうつった。



全てが一瞬のことだった。


なにも、本当になにも考える余裕はなかった。
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