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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第20章 証拠■


「シン・・・私...」

「もう何も言わないでください。その言葉を最後にしたいんです」

そう言ってシンはポケットから何かを取りだし、テーブルに置いた。

そこには小さな白い美しい花がたくさん散りばめられた2枚の「しおり」があった。

「あなた方お2人のために作りました。」

手に取ってみると、それは手作りとは思えない精巧さだった。
まるで生きた花がそのまま疼いているようにさえ感じる。


「すごい...綺麗...」

ルーナの心からの声が洩れた。


「この花はカザニアと言います。
花言葉は、"潔白" と "きよらか" そして "あなたを誇りに思う" です。」

ルーナは驚いて視線をしおりからシンに移した。
とても優しい笑みを浮かべている。


「カザニアは暗闇では閉じてしまうんです。そして雨や曇りの日も閉じてしまう。あなたもその花言葉のとおり、これからは本心を潔白にしてご自分を誇りに思って生きていってください。あなたの中のカザニアを...咲かせ続けていってくださいね...約束...してください」


ルーナはたまらず立ち上がり、シンに抱きついた。
シンは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに優しい笑みに戻りルーナを抱き締めた。
目からは涙が消え、"きよらか"な瞳になっていた。

「うん...約束する」

ルーナが搾り出す小さな震える声に返事をするようにシンはルーナの背中をさすった。



シン、あなたのおかげで私は世界に色が戻った。匂いも音も。なにもかも。
あなたと過ごした日々はとても幸せだった。すごく楽しかった。
絶対に一生忘れない。


帰り際、ルーナは自分の母の形見のペンダントをシンの首につけた。

「これは??」

驚いた顔で、小さなクロスのペンダントを見る。

「約束したっていう証拠をあなたに持っていてほしい。私が約束を破ったらそれを引きちぎってほしい」

真剣な顔で決心したように言うルーナにシンは何も言わずに微笑み、コクンと頷くとペンダントを服の中にしまった。


どちらともなく手を伸ばし、握手を交わした。

「これからは同じ仲間として闘っていきましょう」

「うん。本当に...ありがとう」

手が離れた時には、人類に心臓を捧げると誓った2人の兵士になっていた。
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