Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第20章 証拠■
「・・・僕はあなたの全てを愛していました」
シンの落ち着いた穏やかな声が流れる。
「シン・・・ごめ」
「でも一つだけ、好きになれない部分がありました」
言葉を遮られたかと思えば突然厳しい口調に変わり、ルーナは驚いてシンを見つめた。
「それは、あなたが自分の本心と向き合わないところです。」
「ーッ!」
言葉に詰まるルーナ。
「あなたはいつも自分の本心を押し殺して気付かないフリをしていた。ずっと。...意味、分かりますよね?」
厳しい目付きが刺さる。
ルーナはギュッと目をつぶり、握る拳を膝に置きながら首だけコクコクと縦に動かした。
分かる。本当にその通りだ。
私はいつも自分の本心から目を背け、気付かないふりをするばかりか塗り替えようとまで試みる癖がある。
それによってどれだけの人を傷つけているのかさえも気付かずに...
最低すぎる...自分は...悪魔だ...
今目の前にいる神様に懲罰を食らっているような気分にさえなる。
「でもっ...シン...一つだけ...反論させてほしい...」
「・・・」
神様の赦しは得られない。でも...どうしても一つだけ言わせてほしい。
「私は...シン、あなたを心から愛してた。それだけは本心...なんです」
神様...どうかこれだけは信じてください
そういう思いを込めて言った。
シンは釣り上げていた眉を徐々に下げ、寂しいような哀しいような、けれど慈しみを込めた、愛しい者を見る表情で答えた。
「それが聞けただけで僕は満足ですよ」
シンの目から一粒の涙が零れた。
頬に光るそれは、もう一粒の涙に押されるように下へ流れて行く。
あぁ、この人は本当に神様だ...
ルーナは煌々とした暖かいオーラを放つシンのことを心からそう感じて見つめた。