Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第20章 証拠■
リンクはルーナがする巨人の話や壁外の話にいつも興味津々だった。
幼い子供にする話ではないと思っていたのだが、
アリーがリヴァイからそういった話を聞いているのか、それをリンクに普段話したりしているのだろう。
それを聞いたリンクがまたルーナに聞いてくるという流れだ。
リンクの濁った白い瞳の中にはきっと、想像だけの世界がたくさん広がっているのだろう。
でも...
もしもリンクの目が見えるようになったとしても巨人だけは見せたくない。
なので正直あまり話したくないのだが、一生懸命聞き耳たてている可愛いリンクの表情を見ると、つい話さずにはいられなくなる。
ハンジだったらさぞ喜んでリンクとお喋りするのだろうなぁと思いルーナは苦笑いしてしまった。
「リンク、あなたはそろそろお昼寝の時間でしょ」
アリーに促され、ちぇ〜っとぶつぶつ文句をいいながらリンクはベッドへ入ってしまった。
「ルーナさん、何か良い事でもあったんじゃないの?雰囲気がだいぶ変わったわ」
「っ!えっ...」
突然アリーにそんなことを言われて声を上げてしまうルーナ。
やっぱりこの人には敵わないな...と思い戸惑いながら口を開いた。
「実は...ずっとすれ違っていた人と...仲直りできたんです」
「・・・」
言葉が何も返ってこないので、あれ?と思ってアリーを見ると、そこには今まで見たことのない表情を浮かべているアリーの顔があった。
眉間に皺を寄せ、目をいつもより見開き、口に僅かに隙間がある。
瞳が大きく揺らいでいるのが分かる。
そんな顔のアリーを見るのは初めてで、ルーナも言葉を失い口を噤んだ。
今、何を考えているのだろう?
まずいことでも言ってしまったのだろうか?
全く分からない。
ルーナの言った相手はリヴァイということは知らないはず・・・
はず・・・だけど・・・
もしかして...アリーさんなら...
「それはよかった!!!やっぱりウェディングドレスじゃない?」
いきなり返ってきた返事にルーナの思考は一瞬で掻き消された。
アリーは先程とは別人のような明るい表情で笑っている。