Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
宿主は入ってきた2人を一瞥すると、ただならない状況を感じとったのか目を見開き顔を険しくした。
しかもあの有名なリヴァイ兵士長が突然この宿にやって来ているという事実にも驚きを隠せない。
「水とバケツをお持ちします」
「あぁ。助かる」
状況判断の早い宿主に感謝した。
思っていたより豪華な宿だ。
部屋も広く、ソファーや家具が並べられ、ベッドも大きい。
リヴァイはベッドにルーナを寝かせた。
裸のままなのも可哀想なのでクローゼットに備えられているバスローブをひとつ取り、ルーナに着せた。
しばらくしてから宿主が水とバケツを持ってきてくれ、「何かお手伝いできることがあればすぐに呼んでください」と言い残していった。
「ルーナ、水を飲むんだ」
聞こえているか分からないルーナに声をかけ、上半身を支えて口元にコップをつけた。
しかし、口の端からどんどん流れていってしまう。
これでは体内の酒を薄められない上に、吐き出させることもできない。
リヴァイは自分の口に水を含み、ルーナの口に押し付けた。
唇が頑なに開かず全く水が流し込めない。
「ううっ...」
小さくルーナが声をあげたかと思えば、口を離して顔を見るとルーナの表情はひどく怯えている。
リヴァイは口に含んでいた水をゴクリと飲んでから、ルーナの頬に手を置き顔を近づけた。
「ルーナ、どうした?」
「ひっ...」
ルーナはまた小さく声を上げ顔を逸らしフルフルと震えて怯えきっている。
まさか...こうしてアイツに酒を飲まされ続けてたってのか?!
転がっていた大きな酒瓶を思い出す。
きっとあれ全部だ。ルーナのこの状況を見ても、あれを全部口に注ぎ込まれたんだ...あいつの唾液と共に...