Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
「ちくっ...しょう...」
リヴァイは馬車の中でシーツに包まれたルーナを抱きかかえながら、ぶつけようのない悔しさをただただ噛み殺した。
眉に皺を寄せ、ギュッと目を瞑り、下唇を噛み切るほど噛んだ。
腕の中のルーナはとにかく熱い。
息が酒臭く、顔が火照っている。
リヴァイはギュッとルーナを抱き締め顔を埋めた。
ルーナから聞こえる心音はまるで爆発しそうなほど大きく早い。
半開きのままの口元から漏れる息遣いは消えそうなほど小さい。
そっとルーナの熱い頬を撫でる。
半開きのルーナの虚ろな目はリヴァイを認識しているのかも意識があるのかさえもハッキリしない。
「ルーナ...」
呼びかけるが全く反応がなくまるで人形のようだ。
"ルーナさんは君のお人形じゃないだろう?"
モリスの言葉が頭に木霊する。
人形...だと?ふざけるな。
やはりあいつは殺しておくべきだったと今になって激しい怒りと後悔が襲ってくる。
エルヴィンが止めなかったら確実に一突きであいつを殺していたのに...
胸糞悪いお人形遊びとやらをしていた糞害虫を1匹駆除したところで誰も文句は言わねぇよなぁ?
ルーナを抱きかかえる手に汗が滲む。
馬車が宿に到着した。
リヴァイは馬車の男に自分たちがこの宿にいることをエルヴィンに知らせるように言って多めの金を握らせ、ルーナを抱きかかえて宿に入った。