Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
「・・・あぁ。人類最強っていうあのリヴァイ兵士長かぁ...」
目を見開いたその表情のままモリスが呟いた。
リヴァイは震えるナイフを突き刺すのを 限界を超えてまでなんとか理性で押しとどめている。
狂おしいほど辛そうな表情で汗を流しながら。
「何を怒っているんだい?ルーナさんは君のお人形じゃないだろう?」
モリスのその言葉に、ついにリヴァイの限界の糸が切れた。
「てめええええええ!!!!!!!」
リヴァイが大きくナイフを振りかざし、喉を一突きしようとしたその瞬間
「リヴァイ!!!」
他の部屋を探しに行っていたエルヴィンの怒鳴り声が背後から聞こえ、その瞬間ナイフの軌道がズレ、モリスの肩に突き刺さった。
「うわああああああ!!!!」
モリスが激痛に悶える雄叫びを上げる。
「リヴァイ!!先にやることがあるだろう!!!」
リヴァイはナイフが突き刺さったままのモリスをそのままによろりと立ち上がり、ルーナの元へ行った。
床には無惨な状態になったドレスが落ちている。
ルーナのその姿に、リヴァイは顔を強ばらせ、クッと歯を食いしばりながらルーナの腕をおろし、シーツで体を包んだ。
エルヴィンはつかつかと男のもとへ行き、ナイフを引き抜いた。
「うおぁああ!!!」
モリスは汗をかきながら肩を掴み身をよじらせている。
血の着いたナイフが床にカチンと落ちる音がした。
「リヴァイ、ルーナを近くの宿へ連れて行け。あとのことは私がやっておく」
「その前にそいつを一発殴らせろ」
「ダメだ」
エルヴィンが冷たく言い放った。
「今日だけはお前の命令は聞かねぇ!」
リヴァイは震える声を奥から搾り出し、モリスに近づいた。
ガッ!!!!
その瞬間、エルヴィンがモリスの股間を思い切り蹴り上げた。
モリスは声を出せないまま気絶した。
リヴァイが目を見開いてエルヴィンを見る。
「お前の真似をしてみたまでだが、なかなか気分の良いものなんだな」
エルヴィンはうっすら笑って今までにリヴァイが見た事もないような冷徹な目でモリスを見下ろしていた。