Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
「おい、お前、ルーナ・スカンロンという女を見なかったか?」
突然、お前呼ばわりされた貴族の男は顔を顰めたが、目の前にいるのが人類最強の兵士と名高いリヴァイであったため、少しだけ表情を崩した。
「さあ?1時間前までは彼女と話していたが、そのあとは確か...オリバー卿の倅に呼び止められて話しているのを見たかな...それ以上は見ていない」
「そいつはどんな奴だ?」
「確か肩くらいまでの長めの茶髪でブルーの目...結構男前な顔してるよ。名前は...すまん、覚えてない」
「そうか。ありがとう」
こうして順番に聞いていくしかない。
そう思って次はオリバー卿の倅とやらのところへ行こうとすると廊下でバッタリエルヴィンと出くわした。
「エルヴィン、オリバー卿の倅はなんて名前だ?」
「ーッ!!まさかあいつが来ているのか??」
「知ってる奴なのか?」
「まずいぞリヴァイ!話している余裕はない!」
エルヴィンは突然鬼のような形相になりモリスというその男を捜し出した。
が、どこにもいない。
リヴァイもそんなエルヴィンを見ながら冷や汗が流れるのがわかった。
なにか本当にまずい予感が当たりそうで鼓動が早くなる。
「おい、お前モリスってやつがどこにいるか知ってるか?」
廊下で話しかけたその男はビクンッと体を強ばらせたかと思えば、
「さぁ、わかりません」と小さくにこやかに言った。
なにか妙だ...と思ったが、「そうか」と言って男を一瞥し踵を返そうとした。
しかしその瞬間、その男のジャケットの内側でなにか光るものが見えた。
背の低いリヴァイにとってそれはちょうど見える位置だった。
「ん?」
リヴァイは踵を返そうとしていた体を止め、男に向き直ると、突然ジャケットを掴み、その光るものを取りだした。
「ちょ、ちょっと!な...」
突然のことに驚いた男が反論するより早くリヴァイは男の胸ぐらを掴むと壁に追いやり締め上げた。
「おい...お前がなぜこれを持ってる?」
それはリヴァイがルーナにあげたナイフだった。
「なっ...なにを突然っ...!」
ドンッ!!!
リヴァイは男を更に壁に叩きつけた。
「俺が質問してるんだぞ?失礼な奴だな」