Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
リヴァイはなかなか酔いが回らない自分に嫌気がさし、周りを囲む貴婦人も何が面白いのかいつまでも自分から離れずそろそろ限界が来ていた。
「もう限界だ」
あまりの苛立ちに心の声が漏れてしまった。
「あら?やはり飲みすぎちゃったのでは?大丈夫かしら?」
リヴァイが洩らす声に貴婦人たちがリヴァイの顔を覗き込む。
リヴァイはそんな貴婦人たちを無視し、御手洗のある方向へ足早に歩いて行った。
「あらーやっぱり酔っちゃったのね?」
心配する貴婦人たちの声が後ろから口々に聞こえた。
「あー...クソがっ!もうそろそろ帰ってもいいだろう」
リヴァイは御手洗で顔を洗い、そう呟くとポケットから懐中時計を取りだした。
チッ、まだ2時間も経ってねぇのかよ...
だがもう俺は帰らせてもらうぞ。
もう充分仕事はしただろう。
ただ酒を飲み続けていただけだったが、リヴァイはもう充分仕事はこなしたと思い、エルヴィンの元へ行こうと廊下を出た。
そういえばさっきから随分ルーナの姿を見ていない。
妙な胸騒ぎがした。
帰るなら、酒に弱いルーナが酔っ払ったりしていないかちゃんと確認してからにしたいと思い、ホールでルーナの姿を探すがやはりいない。
「あいつ...どこだ?まさかもう帰ったのか?」
飽きもせずまだ貴婦人たちと笑っているエルヴィンのもとへ行き、背後から声をかけた。
「おいエルヴィン、あいつはどこにいる」
エルヴィンは振り返り、相変わらず不機嫌そうに細めたリヴァイの目を見ながら言った。
「ん?ルーナのことか?先程まで向こうの方で話していたのを見たが...」
視線を走らせるがどこにもルーナがいないことがわかり、徐々に眉間に皺を寄せるエルヴィン。
「捜そう」
突然真剣な顔をしたエルヴィンはそう言うと、目の前の貴婦人たちににこやかに挨拶してから足早にルーナを捜し始めた。