Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
「やぁルーナさん。またお会いしましたね」
ルーナは声の主の方へ振り向き危うく持っていたグラスを落としそうになった。
「モリス・・・」
「わぁ...覚えていてくれて光栄ですよ〜さぁ今夜も一緒に飲みましょう?」
ルーナは嫌な予感がした。
モリスはルーナの告発によりロヴォフと同じように処分を食らったはずだ。
もう二度と会うことはないだろうと安心しきっていたのだが油断していたようだ。
やはりここまでのお坊ちゃまだと自身のことなど金でどうにでもできるようだ。
こいつの父親 オリバー卿は来ていないのだろうか?
ルーナは急いで視線を走らせる。
それに気づいたかのようにモリスはニヤリと笑いながら言った。
「父は今夜はいませんよ。仲違いをしてるんでね。おわかりでしょう?」
あなたのせいだとでも言いたいような顔を向けてきた。
いや全てお前のせいだろう
そう思いながらルーナは冷たい表情を作り視線を逸らした。
「あちらで飲みましょうよ。またお勧めの酒を持ってきたんです」
そう言いながらルーナの手を取るモリス。
「やめてください。今日はあなたとお話したい気分ではありません」
ルーナは手を振り切り踵を返した。
背中にモリスの刺さるような視線を感じたが振り向かずに歩いて行く。
すると向こうの方でリヴァイが貴婦人たちにキャアキャア言われながら酒をガンガン飲んでいるのが目に入った。
心底不機嫌そうな顔をしているが、顔色ひとつ変えずに全く酔っていないようだ。
気を張りつめているせいだろうか?
にしても...なにもかもが尋常離れしていてこんな所でも驚きを隠せない。
一体どんな遺伝子をしているのだろうか?
はぁ...早く終わらないかなぁ...
溜息をつきながらリヴァイと同じ方向を見ると時計があった。
まだこんな時間か...
1時間しか経っていない。
ルーナはとりあえず化粧室に入って気持ちを落ち着かせてからまた仕事を再会しようと一旦ホールを出た。