Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
―――1週間後―――
この一週間で起きたことはあまりにも大きく、そして誰もが信じ難いような状況だった。
女型の巨人の正体がアニ・レオンハートだと判明し、ストヘス区で巨人化したエレンとアニが格闘を広げ、街は大惨事をこうむった。
しかし拘束できたのは結晶化したアニのみ。
エレンと調査兵団の王都召還は一時免れることができたが、今回の一件で調査兵団への目はさらに厳しくなった。
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「私たち、夢に近づいてきた気がする」
「そうだな。まだこの先なにが待ち受けているかもわからないが、ここまでくるのに随分とかかってしまった」
ルーナとエルヴィンが執務室で作業をしながらお互いの思いを確かめた。
「子供の頃、木の上でした約束、いつ果たせるかな...」
ルーナは幼い頃に思いを馳せた。
あの頃は楽しかった。まだ大切な人を誰一人として失ったことはなかったし、こんな未来が待ち受けているとも予想せずただただ夢を見て目を輝かせていた。
20年近くたった今は、もう数え切れないほどの大切な人を亡くし、自分の周りからは次々と人が消えていく。
現状はいつだって 悲しんでいる暇すら与えてくれない。
お墓参りにすら長いこと行けていない。
今回はリヴァイ班の全員分の遺体すらも持ち帰られなかった。
遺族たちの悲痛な顔が浮かび、ルーナはギュッと目を閉じた。
これ以上考えたら本気でおかしくなりそうだ。