Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第19章 弱点■
今まで以上の大惨事を食らった兵舎の医務室はこれまでに類を見ないほどの数の人間でバタバタしていた。
「随分酷く打撲しているみたい...痛む?」
「・・・大丈夫だ」
そういうリヴァイの顔は全然大丈夫そうな表情ではない。
ルーナはリヴァイの足首に薬を塗り、ゆっくりと周辺を解していった。
リヴァイが顔を強ばらせ痛みに耐えているのが分かる。
「ごめん...あと少しだから...我慢してね」
「・・・」
「エレンを助けてくれて...ありがとう」
「礼を言われるようなことじゃない。そもそも初めからそれが仕事だった」
「・・・あの時私のことも...助けてくれてありがとう。ずっとお礼が言いたかったの...」
そう言ってリヴァイをゆっくり見上げると、険しい顔のリヴァイと視線が合った。
数秒視線が合ったままで沈黙だけが流れた。
気づいたように同時に視線を外し、ルーナは治療を終えた。
「...よし。あとは安静にしてね。あまり動かさないで」
「チッ、役立たずになったもんだ」
リヴァイは自分の足を睨みつけながら立ち上がった。
「お前は?怪我はないか?」
「うん。私は大丈夫だからほかの人たちの治療に専念しなきゃ」
「...そうか。」
リヴァイは安心したような優しげな表情を僅かに浮かべて去っていった。
そんな顔されたら...私はまた...
本当はまだまだ話したいと思っていた。
話す内容を用意していた訳では無いが、まだ一緒にいたい...話したい...
そう思ってしまった。
リヴァイはどう思っているだろう...リヴァイの去りゆく背を見ながら複雑な思いを胸にしまった。