Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第18章 プライド
アリーの薔薇の香りと共に、暖かい息がふわっとかかったと思うと、ゆっくりルーナの耳から離れた。
恐る恐るアリーを見ると、何事も無かったかのように紅茶を啜り、愛おしそうにリンクを眺めている。
リンクはなにやらお絵描きをしているようだ。
「ねぇねぇ!どうかな?うまくできてる?」
嬉しそうな顔で紙を広げて見せるリンク。
そこには、目の見えないリンクにしてはとても上手な絵が描かれていた。
恐らく「虹」だろう。
「姉ちゃんに言われた通りに7色に描いたつもりなんだ」
「すごい!ちゃんと7色の虹だよ!」
ルーナが言うと、リンクは「あげる」と言って渡してきた。
「いつか見てみたいなぁ・・・」
そう呟くリンクをアリーは眉をひそめて頭をなでている。
ルーナは絵を見ながら、ファーランとイザベルが死んだ日に浮かんでいた虹を思い出した。
「あの・・・アリーさん。リンクの目のことについてなんですが...いろいろ調べてみた結果、やはり移植しかないと思います。」
「移植?」
「はい。死後にその人の眼球を提供してもらい角膜移植するんです。そういう方がいるかどうかという話にもなりますけど...」
「そう...お金もかかりそうね...」
アリーは眉を寄せ目を潤わせた。
「でも私は...絶対この子には虹を見てほしいですよ。」
ルーナはリンクから貰った絵を眺めて呟いた。