Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第18章 プライド
「・・・避けられてる...ね...きっとその人は怖いのね」
「怖い?何がですか?」
ルーナはリヴァイだとは言っていないし、アリーに聞いてもわからないとは分かっていたが、真相が知りたくて聞かずにはいられなかった。
「その人自身の本当の弱点が...出てしまうことじゃないかしら」
意味がわからないルーナは眉を寄せ首を傾げるが、アリーはなぜかほくそ笑んでいる。
「男は女より本能に忠実なのよ。気づかないうちに必死に自分の弱点を守ろうとするものなの」
男の弱点...リヴァイの弱点...
そんなものは考えたことないが、ともかく目の前にいるこのアリーという女はやはり只者じゃない...とそう思わずにはいられなかった。
狙われた男は一溜りもないだろう。
きっとリヴァイでさえも...
本当に...何もかもこの人には適わない
次第にルーナにとってアリーは憧れそのものになっていた。
「アリーさんは...その...好きな方や恋人は...いるんですか?」
ルーナは思い切って、ずっとしたくてできなかった質問をしてみた。
アリーは一瞬驚いた顔をしてから、フフっと笑った。
「とても難しい質問ね」
「えっ?」
これのどこが難しい質問なのだろうか?
思いもよらない返答にルーナが困っていると、アリーは続けた。
「私が好きになる人って皆もう既に誰かのものなのよね」
意外すぎた。
アリーほどの人にそんなことがあるとは思ってもみなかった。
ルーナが口をポカンと開けていると、アリーは突然ルーナの耳元に近づいて囁きだした。
「でも...奪うことも...できるわ」
ルーナは一気に全身がぞくぞくっと粟立つのが分かった。
なんともいえない感情が湧きあがり、この感情に名前をつけるとしたら何も思い当たらない。
しかし、一つだけ言えるのは、この感情の大半を占めているのは「恐怖」だった。
ルーナはこの時初めてアリーのことを怖く感じた。