Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第18章 プライド
「ありがとうね...シン」
「お礼を言うのは僕ではないです。僕は...なにもしてませんから...ただこうしてあなたの手を握って情けなく泣いてただけです...」
シンは涙を拭きながら視線を逸らした。
「...誰が...私を助けてくれたの?」
「・・・」
シンがルーナの問に答えなかったのは初めてだったので驚いた。
...どうなってるの?
私が気を失ってる間に何が起きてたっていうの?
トントン...
2人同時に扉を見る。
シンが扉を開けに行くとエルヴィンが立っていた。
「やぁルーナ...体調はどうだ?」
エルヴィンはルーナの元へ行き、眉をひそめて心配そうな顔を出した。
その後ろでもっと悲痛な顔を浮かべているシンが見える。
「エルヴィン...少しみぞおちが痛いだけで...他はなんともないみたい」
そう言って少し笑顔を作ってみせる。
「・・・そうか。早々で申し訳ないが、状況確認をさせてもらう。犯人は3人だったが、全員の顔は見たか?」
「見てない...1人に呼び出されて図書室に入ったあとすぐに気を失ってしまったから...でもその1人のこともあまり知らない。104期の新兵ってことはわかったけど、私のいた訓練兵団の子じゃなかったから教え子ではないし」
「なるほど。だが待ち伏せしていた2人のうち1人は君の教え子だったようだよ」
「えっ?!」
そんな・・・まさか教え子が自分にこんなことをしたなんて...
ショックで胸がキュッと苦しくなり吐き気がしてきた。
シンがすぐにそれに気がついて水を渡してくれる。
それをごくごくと飲み干すと、とても喉が乾いていたのだということを実感した。
「奴らは文字通り泡を吹いていたうえに、顔も見分けがつかないくらい腫れ上がっててな...それから・・・他にも損傷している箇所があり...起こして聞き出すのに手間取ってしまっている。言葉も満足に話せないようで支離滅裂でな...」
泡を吹いて...?
誰がそんな状況に...?
シン...だろうか?
シンの方を見ると、俯いていて表情が見えない。