Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第18章 プライド
「ここか...」
扉の横に書かれた表札を見て、シンの部屋だと確信した。
リヴァイにはノックの習慣がないのでそのまま扉を開けてしまいそうになったが思い立って一応ノックをした。
寝ているかもしれないと思ったが、すぐに扉が開いた。
背の高いその男は目の前になぜリヴァイがいて自分を睨み上げているのかと驚きを隠せない様子で口を開けたまま一瞬沈黙した。
「リッ...リヴァイ兵長?!ど...」
「来い」
ただならぬ空気を纏うリヴァイにただ何も言わずについて行くしかなかったシンは、道中いろいろなことを考えた。
もしかしたらルーナさんのことで勝負を仕掛けられるのか?
そしたら自分は一溜りもない...
ルーナさんとのことで気に食わないことがあって呼び出されたのか?
いや、とにかく自分のことが気に食わなくて締め上げたいのかもしれない...
そうして着いた先はルーナの部屋だった。
シンが部屋に入ると、ルーナが兵服のまま横になっているのを見て異変を感じとり急いで駆け寄った。
「ルーナさん?!」
シンはルーナの手を握る。
「おい、いいかロン毛、よく聞け」
リヴァイは先程あったことを全て話した。
シンはみるみるうちに顔が青ざめ、目に涙を浮かべている。
「助けていただき...ありがとうございます...」
シンは泣きながらリヴァイに頭を下げた。
その姿とその言葉はリヴァイにとって、嫌というほどルーナがこの男のものなのだということを実感させられた。
「俺がこいつを見つけたことは言うな。俺のことは一切だ。いいな?」
「...はい?なぜです?」
涙を拭きながら驚いたようにリヴァイを見るシンに盛大に舌打ちした。
コイツは馬鹿なのか?
そのくらい察しろよ。
「てめぇにとってもその方が都合がいいだろうが」
「・・・言っている意味がわかりません」
ダメだ、コイツは純粋すぎてクソ正直な本物の馬鹿だ。