Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第18章 プライド
例の壁外調査も近くなり、ルーナは次第に疲れが溜まっていた。
シンも班長なので、新兵たちの指導で忙しい。
もう随分と肌を合わせていないが、シンはルーナに気を使っているのか求めてくることはない。
ただ時間を作っては一緒にハーブ風呂に入っている。
それが今のルーナにとって唯一の癒しだった。
アリーさんにも会いたいな...とルーナがひとり呟いた。
アリーの店で購入したパープルのドレスは一目惚れだった。
サイズもピッタリで美しいデザインに入れ込み、つい買ってしまったはいいが、これを着ていく暇も着ていく所も、よく考えてみたら...ない。
アリーさんは絶対大切な人の前で着てっていってたっけ...
ルーナはクローゼットのそれを見ながらため息をついた。
トントン
ノックをする音にビクッと驚き肩が上がってしまった。
こんな時間に誰だろう?あ、シンかな?
ルーナは少し顔を綻ばせ、扉を開けた。
そこに立っていたのは1人の新兵だった。
この子は...104期の子だ!
「あら?どうしたの?こんな時間に」
ルーナが笑顔で聞くと、新兵は神妙な面持ちで答えた。
「実は...今度の壁外調査の長距離索敵陣形のことなのですが...正直全然分からなくて...」
あぁ!とルーナは思った。
あれは確かに初めての新兵には理解するのに苦労がいる。
ルーナだって一番最初は戸惑っていたくらいだ。
「うん。大丈夫!ちゃんと教えるよ。どこが分からないの?」