Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第17章 見えない瞳
「・・・とりあえず、新兵がまだ何名入団するか分からないので、各班長の配置を先に決めていきます。」
ルーナが図に書き込んで行く手を見ながら俺は何も考えず、ただただルーナの顔を見つめていた。
久しぶりに真正面から見るルーナは相変わらず美しかった。
後ろに束ねられた長髪がフサッと前に落ち、ルーナは煩わしそうに後ろに手で跳ね除けた。
その手に触れたい...
「今までだと、この配置が1番上手くいっていたのでこんな感じでどうでしょう?ここに新兵たちをあとから足していきます」
「...あぁ」
目を合わせないように逸らすタイミングが難しい。
目を合わせたいが合わせられない。
背けられて自分が傷つくのが怖い...俺はどこまでもガキだ...
「あのー...私だけが決めることになってしまうので、何か意見してください」
俺の反応が薄いことに苛立つ様子のルーナが可愛くて仕方ない。
久しぶりに聞く自分に対する感情の入った言葉に少し嬉しくなる。
「・・・別にないが?」
俺はあえてまたイラつかせるように答えた。
「あぁ、そうですか。では偽の配置図でのエレンの居場所ですが、この班にはここ、この班にはここ、この班にはここということにします。そうすると...」
「お前はどこに位置するんだ?」
ずっとそれだけを知りたくて話を聞いていた。
パチッとルーナと目が合う。
すぐに逸らされると思ったが、久しぶりに真っ直ぐルーナと目を合わせることができた。
ルーナは驚いているのか目を見開いて困惑している様子だ。
ルーナの瞳は相変わらず透き通っていてグレーがかった黒い瞳が美しく揺れている。長いまつ毛が大きな目を強調し、僅かに開かれた唇の隙間にそそられた。
その目で...その口で...自分以外の男と...
そんなことばかり妄想してしまい表情に平静を装うのが辛くなる。
「えっと私は...ここです。」
ルーナが視線を落として指さす場所を見て俺は驚愕した。
どうして俺より後ろなんだ?!
これじゃあお前を見れねぇし守れねぇじゃねぇか。
その後にルーナがする説明は最もだったので何も言えなくなった。
お前のことは絶対に守りたいのに...
俺はお前にだけは...何があっても絶対死んでほしくないのに...