Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第17章 見えない瞳
残された2人はどちらともなく向き合ってソファーに座った。
非常に気まずいし空気が重いが任務とあらばそんなくだらない私情を挟んでいるわけにはいかない。
ルーナは平静を装い、長距離索敵陣形の地図を広げた。
リヴァイは向かい側で腕を組んで険しい顔でそれをジッと眺めている。
頼むから何か言ってほしい...
「・・・とりあえず、新兵がまだ何名入団するか分からないので、各班長の配置を先に決めていきます。」
ルーナは意を決して喋りだし、図に書き込んでいった。
「今までだと、この配置が1番上手くいっていたのでこんな感じでどうでしょう?ここに新兵たちをあとから足していきます」
「...あぁ」
リヴァイがペンの動きに目を落としたまま短く答えた。
「・・・で、リヴァイ班は5列中央・待機。1番安全な場所です。目標にもしも迫られた時はここまで引き連れてきてもらいます。班員の皆には本当の目的は知らせられないのでリヴァイ兵長だけここで離脱してください」
「...あぁ」
・・・え、それだけ?
この人は本当に私の話を理解しているだろうか?
リヴァイの薄すぎる反応に次第にイラついている自分に気が付いた。
「あのー...私だけが決めることになってしまうので、何か意見してください」
「・・・別にないが?」
イラッ・・・
「あぁ、そうですか。では偽の配置図でのエレンの居場所ですが、この班にはここ、この班にはここ、この班にはここということにします。そうすると...」
「お前はどこに位置するんだ?」
ルーナの言葉を突然遮って問われ、驚いて顔を上げるとリヴァイと目が合った。
相変わらず無表情だが、真っ直ぐに目を合わせるのが久しぶりすぎて目が離せなくなり固まってしまった。
顔すらまともに見た気がする。
相変わらず美しい整った顔だ。切れ長の目にかかった漆黒の前髪と鋭い眼光が放つ玲瓏な光...整った小さな鼻に、女性のように柔らかそうな唇...
ルーナはハッと我に返り視線を図に戻した。
「えっと私は...ここです。」
ルーナが指さすそれを見るリヴァイの表情がみるみる険しくなった。