Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第17章 見えない瞳
2人はベンチに腰かけた。
女性はリンクを隣に寝かせ、自分の太ももに頭を置かせた。
ルーナが持っていたメモ用のノートに、ペンを走らせている。
サラサラと走るペン先に女性の長い髪がひと房ふた房落ちた。
女性は煩わしそうに眉をひそめ、ちょっと待ってね、と言いリボンを取りだし高い位置でポニーテールにした。
「ッ!!!!!」
その瞬間ルーナは確信した。
この女性は・・・あの夜リヴァイと一緒にいた人だ。
あんなにあとをつけてまで見ていたのだ。間違いない。
今はほとんど化粧を施してないのだろうし、カジュアルな服装なので気付けなかったのだろう...
ミルクティー色の髪に、長いまつ毛、澄んだ黄金の瞳に、整った美しい顔立ち、笑顔がとても艶やかで、男性だけでなく女性までドキッとするような仕草...
「んー...こんな感じかなぁ。はい、どうぞ」
「わあっ!とても分かりやすいです!ありがとうございます」
ルーナは動揺しているのを必死で隠しながら笑顔を作った。
女性は一瞬何かを探るように目を細めたがすぐに笑顔を返した。
「それより私、調査兵団に興味があるのよ!巨人の研究とかしているんでしょう?よかったら聞かせてくれない?」
「えっ...」
リヴァイはそんなことまでこの女性に話しているのだろうか。
ルーナは不自然に思われないように、かいつまんで巨人の話をした。
その間ずっと楽しそうに、笑ったり、驚いたり、怯えたりしているその女性のどの表情も仕草も上品で美しく、ルーナはいつの間にか顔を赤らめていた。
「あら、ごめんなさいね。お仕事の邪魔しちゃって!」
女性はハッと気づいたように心底申し訳なさそうな顔をした。
「いいえ、いいんですよ。こんなことに興味を持ってくださる方なんてそういませんし」
ルーナが笑顔で返すと、女性は突然真剣な顔をしてルーナの手を握った。
「人類のために頑張ってね。心から応援してるわ」
ルーナはドキッとして顔を火照らせた。