Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第17章 見えない瞳
ルーナは荷物がほぼ無いエレンに必要な物を買い足しに街に出ていた。
そこはあまり来たことがない場所で、迷いながらもとりあえず歩を進めていた。
本当はルーナのやる仕事でもないのだが、執務作業はほぼ落ち着いていることと、リヴァイと極力顔を合わせたくないこともあり、自ら赴いたのだ。
「あっ!大丈夫?!」
目の前で転んだ男の子に手を差し伸べる。
歳の頃は10歳にも満たないだろうか。クリーム色の綺麗な髪だ。
男の子はゆっくり膝をつき顔を上げた。
あれ?
その子の目はどこか不自然だった。
黒目の部分は白濁としており、ルーナの手を取ろうともせず全く別の場所に瞳を向けている。
ルーナが手を取ろうとしたその時、後ろから声がした。
「んもう!こら!リンク!!」
そう言って駆けつけてきた声の主はその子の腕を引っ張り立ち上がらせる。
「ごめんなさいね」
そう言いながらルーナを見るその女性はどこかでとても見たことがある気がして目が離せなくなった。
「あら?ごめんなさい。この子が迷惑かけたかしら」
動きが止まっているルーナに女性は眉をひそめて言った。
「あっ!いえ、大丈夫です。あのぅ...もしかしてその子...」
ルーナが男の子の目を見て呟いた。
「えぇ、目の病気でね。両目とも見えないの」
そういいながら、「1人で外に出ちゃダメって言ってるでしょ?!」とリンクを頭上から怒鳴った。
「姉ちゃんのケチ!ふん!」
「あ!あなた調査兵ね?!」
女性はルーナの兵服をまじまじと見つめて目を輝かせた。
「...はい。そうなんです。ちょっと買い出しで...でもここらへんには来たことがなくて迷ってて...」
ルーナは苦笑いして答えた。
「まぁ、そうなの?それなら地図を書いてあげるわよ」