Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第17章 見えない瞳
ルーナはリヴァイとの間でできた心の傷から目をそらすように、ギュッと瞳を閉じた。
「待てリヴァイ!危険だ...恨みを買ってこいつが巨人化したらどうする?」
「何言ってる?お前らはこいつを解剖するんだろ?」
ルーナが恐る恐る目を開けると、リヴァイはこれでもかというほど冷徹な目で憲兵団や銃を構える者たち、またウォール教や商会の者たちを凝視していた。
「こいつは巨人化したときに20体の巨人を殺したらしい。敵だとすれば知恵がある分厄介かもしれん。だとしても俺の敵じゃないが...お前らはどうする?こいつをいじめた奴らもよく考えた方がいい。本当にこいつを殺せるのかをな...」
周りがざわつく中、エルヴィンが今後のエレンをリヴァイの管理下に置くという提案をした。
そして次の壁外調査にエレンを連れていき、人類にとって有意義であることを証明すると断言した。
周りは顔を強ばらせ目を泳がせてはいるが、どうせその壁外調査でエレンも死んでくれるだろうといった思惑があり口を噤んでいるのだろうとルーナは思った。
無事、エレンが調査兵団に託され、議論は締め括られた。
「エレン...ごめんね...大丈夫?」
別室でルーナは急いで傷の手当をする。
リヴァイに存分にやられた顔や頭からは血が出ているが、手当をしながらルーナは疑問に思っていた。
あれ...?確かさっき、ここにも傷があったはず...なんだけど...
あまりにも治癒力がありすぎる気がして首を傾げた。
それにしても...やりすぎだ。
いくらなんでもこんなに痛めつけることはないだろう。
ルーナは内心リヴァイに詰め寄りたい気分だったが、それは変わりにハンジがやってくれていた。