Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第16章 トロスト区攻防戦
「ここに腰かけて。髪洗ってあげる」
そう言ってルーナはシンの長い美しい髪を泡立て始めた。
指に力を込めて頭のマッサージをすると、少し痛いところやくすぐったいところもあるのか苦笑いしながら小さく声をあげるシンが可愛い。
ローズマリーとラベンダーを浮かべた浴槽はまさに乙女心をくすぐる光景だった。
香りの良い湯気がたちこめ、これだけでもかなり癒され疲れがとれる気がした。
2人で浴槽に入ると、ザバーっと一気に湯がこぼれおち、流れるハーブを2人で必死に集めて笑い合う。
幸せだ。
ルーナはシンに身体を預け、心の底からそう思った。
「幸せです...」
ルーナの心の声に呼応するかのようにシンが呟いた。
「私も...」
そう言ってルーナが目を閉じると、シンがその唇にキスを落とした。
「んんっ...」
二人の舌が絡まり合い、くちゅっと音を立てる。
唇を離すと、お互い蒸気のせいか火照った顔に雫がついていた。
シンは後ろからルーナを抱きしめると、ルーナの肩に顎を置き、耳元で口を開いた。
「ルーナさん...僕は駆け引きや嘘が苦手だって...いいましたよね。だから...聞いてほしいことがあります」
「ん??」
「僕はこないだ確実に死んでいたはずなんです」
「えぇ?!」
ルーナは驚いて振り返ろうとした。しかしシンに強く抱きしめられていて身体を動かせない。
「僕はあのとき、巨人の口に入る寸前だった。リヴァイ兵長が...助けてくれたんです。」
「え・・・」
ルーナは目を見開き、眉をひそめた。
「リヴァイ兵長がすんでのところで僕を引き上げてくれなかったら...今ここにはいません」
「・・・そう...だったんだ」
ルーナはどう答えていいのかわからず黙りこくった。
湯に移る自分の顔が、ハーブで遮られていて良かった。
そんなことを考えていた。