Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第16章 トロスト区攻防戦
その日の会議でエルヴィンから告げられた現状はあまりにも信じ難く理解に苦しむものだった。
エレンが巨人となり、壁の穴を塞いだと。
残った巨人たちは調査兵団によって一日がかりで一掃されたが、駐屯兵団や104期の新兵たちを含め、死者はあまりにも多く、そしてまさにまた5年前のような地獄と呼ぶにふさわしい被害を被ったのだと...
「そんな・・・エレンが?巨人...?」
唇をわなわなと震わせ、ルーナは消えそうな声で呟いた。
「なにか心当たりがあるのか?ルーナ」
「そんなっ!あるわけない...教官としてエレンを長い間見てきたけど...エレンは誰よりも調査兵団に入りたいって...それを目標に人一倍頑張ってる子だった...」
エルヴィンの問いに、ルーナは訓練兵団で過ごした日々を思い出しながら言った。
「そうか...今エレンは地下牢で拘束されている。このままいけば憲兵団に引き渡され、エレンの命はないだろう」
「っ!!そんなっ!」
ルーナは勢いよく立ち上がった。
「ルーナ、落ち着いて」
ハンジがルーナを座らせた。
ミケやナナバも顔を険しくし、現状把握に頭を働かせているようだ。
リヴァイは相変わらずの人相で腕を組んだまま机にジッと視線を落としている。
「私はエレンの巨人化の力を今後の調査兵団で役立ててほしいと思っている。これで巨人の謎も大いに高まったわけだ。殺されてしまっては巨人の謎の解明すら尽力できずに終わる。この期を逃してはならない。」
「そうだよ!!その通りだ!!エレンの研究も私にやらせてくれ!なぁいいだろ?!」
エルヴィンの言葉に、今度はハンジが大声を上げて立ち上がった。
今回の1件で2体の巨人の生け捕りに成功したハンジはそれからずっとこの調子で興奮状態だ。