Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第16章 トロスト区攻防戦
もうどのくらい時間が経ってしまっただろうか。
ルーナは一目散にアンナの店を目指した。
「!!!」
アンナの店の屋根が吹き飛んで剥き出しになっている。
「アンナーーーーー!!!!!!」
震える身体を抑えながら精一杯の声で叫び、立体機動で飛び降り走って近づいていく。
嫌な予感ばかりを想像してしまう。
「はっ!!!」
すると中からアンナを抱えたリヴァイが出てきた。
リヴァイの腕の中でアンナは目を閉じグッタリとしている。
「ア...アンナ!!アンナー!!」
ルーナが泣き出しそうな顔で近寄ると、リヴァイはアンナをゆっくりと柱にもたれ掛かるようにして下ろした。
「大丈夫だ。生きてる。頭を強く打ったんだろう。怪我はない。」
「リヴァ...!兵長...ありがとう...ございます」
「・・・ここらへんの巨人は大方片付けた。俺は先を行く」
リヴァイは目も合わせないまま瞬時に去っていった。
私よりも先にリヴァイはここへ来ていた。リヴァイもきっとここを1番に目指してきたのだろう。
私の大切な人を...守るために...
「リヴァイ...」
複雑に絡み合った想いが、頭の中で解れそうになっては絡み解れそうになっては絡みを繰り返していく。
「どうして……」
まだ…私のことを考えてくれて……
私が悲しい想いをしないように……?
ルーナの小さな呟きは風でかき消されていった。