Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第16章 トロスト区攻防戦
道中、何体もの巨人に合い、一向に進むことができない。
その間にも負傷者を出し続けている現状にルーナは奥歯を噛み締めた。
そして一人の影を探す。
「シン...どこなの...?無事なの?」
シンも調査兵団で何年も生き残っている優秀な古参兵士だ。
しかし、無事であるという保証はどこにもない。
それに・・・
「アンナ...お願い...どうか無事でいて...」
アンナはルーナとリヴァイにお揃いの懐中時計をくれた大切な幼なじみだ。
どうやらトロスト区が大変なことになっているらしいと早馬で聞いている。
アンナの店もトロスト区に位置している。
ルーナは絶望感を胸に、とにかく馬を走らせた。
「頼むよリル!」
リルはルーナの気持ちを読み取っているのかものすごいスピードで駆けてくれた。
途中、巨人と遭遇して立体機動に移っても、しっかりとルーナが降り立つ位置で待っていてくれる。
リヴァイは部下たちに指示を出しながら巨人のうなじを削ぎまくり、とにかくトロスト区に行くまでの道を作っていた。
「くそっ...どうなってやがる...おい!立て!」
這いつくばっている兵士の元へ降り立ち、よく見ると、その兵士は脚を負傷して血を流していた。
リヴァイは兵士の腕を自分の肩にかけ、身体を支えながら立ち上がらせた。
「リ...ヴァイ兵長...奇行種が...向こうへ」
「なんだと?!」
「...俺のことは...もういいので...向こうへ早く...行ってください...」
「...いいや、お前も来い」
こんな所へ置いて行けるかとリヴァイは兵士を抱えたまま立体機動に移った。
奇行種?!寄りにもよって!!
あいつは・・・無事なのか?
無事な姿が見れるだけでいい...早く向こうへ行かなくては...
しかし2人だと立体機動にいつもの自分の速さが出ない。
「リヴァイ兵長!向こうは粗方片付けました!あとはエルドとペトラが負傷者を探してから追いつく予定です!」
オルオとグンタがリヴァイに追いついてきた。
「よくやった。お前ら、こいつを頼む」
リヴァイは兵士を引き渡すとものすごいスピードで飛んで行った。