Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
「チッ、またお前か...」
「リヴァイ兵長、今日こそは」
「ダメだ、帰れ」
リヴァイは兵団内でモテていないわけではなかった。
それが分かったのはやはりルーナが自分の隣からいなくなってからだ。
しかも、こうして抱いてくれるだけでいいなどと言って押しかけて来る者までいる。
しかし、リヴァイは兵士長という自分の立場を充分理解しているので、絶対に部下には手を出さない。
噂が噂を呼び、めんどくさい事になるのは目に見えているし、なにより単純に興味が無い。
兵士である以上いつ死ぬか分からない命なので1度でいいから抱いて欲しいなどと懇願する者もいて正直戸惑ったのも事実だが、やはりそんな気力すら起きなかった。
しかも性欲の発散ならアリアがいるのでそれで充分だった。
大体の者は、一度断って睨みでも効かせればそれだけで諦めてくれる。
しかし、今目の前にいるこの「サラ」という女はなぜだか決して諦めることなくめげずに押しかけてくる。
「何度も言ってますが、私はめんどくさいことにはしません。リヴァイ兵長のことを想っているのは事実ですけど、私もいつ死ぬかわかりません。身体の関係だけでいいんです。もちろん口外は一切しませんからお立場が危うくなることも絶対ありません」
歳の頃は20代前半だろう。
薄い茶色のショートヘアに金色の瞳。
決して外見は悪くはなくむしろとても可愛らしい方だ。
立体機動のベルトで締め付けられている胸がその大きさを強調していた。
「お前はしつこすぎるぞ。いい加減諦めろ」
リヴァイは今日、いつも以上に苛立っていた。
廊下で兵士たちが話しているのを耳にしてしまったからだ。
「ルーナとシンが恋仲」だと。
するとサラがコツコツと近づいてきた。
「リヴァイ兵長ももうご存知なんでしょう?ルーナさんとシンさんが付き合っていると」
「っ!!」
リヴァイはピクンと眉を動かした。
痛いところをつかれたようにキュッと心臓が締め付けられる。