Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
その夜、ルーナはシンに抱かれていた。
リヴァイ以外に、初めて自分を愛してくれる男の 愛のある優しい抱き方だった。
シンはある日、律儀にもきちんと言ってきたのだ。
「僕は、駆け引きとか苦手なんです。嘘をつくのもごまかすのも顔に出てしまう。だからハッキリ言わせてください。
...ルーナさん、僕はあなたが好きです。あなたのお側にいさせてほしい」
ルーナは驚いた顔はしなかった。いつかこうなることが分かっていた気がしていたからだ。
ただ優しく笑って返した。
「私もシンのことが...好きだよ。いつも私の世界を彩ってくれる...神様みたいなあなたの笑顔が...」
2人はもうそれ以上の言葉はいらなかった。
抱きしめあってキスをして愛を確かめ合った。
一人の男のことが、脳裏にちらつかなかったわけじゃない。
というよりも、いつも頭の片隅にはその存在があり、忘れようとすればするほど鮮明になってきている感覚さえしていた。
情事を終え、隣で眠る可愛らしいシンの寝顔を見て、その長い髪をさらさらと掬いながら、ルーナは思った。
こんなことはシンには一生言えない。
リヴァイのことを忘れられていないなんて。
ふとした瞬間やシンの一挙一動を、心の中でリヴァイと比べてしまったりする私は、最低なのかもしれない。
でも・・・
シンのことを愛しているのも確かだった。
この無の世界に少しずつ色や音を足していってくれる。
彼がいなかったら私は本当になにもないただの「無」の兵士だった。
感謝してもしきれない。
これでいいんだ。これで。
私は目の前にいるこの人だけを愛そう。
ルーナはシンの頬にキスをして瞳を閉じた。