Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
リヴァイはある日、ガンッッと鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
ルーナが最近、1人の兵士とよくいることは分かっていた。
それだけでもかなりのショックを受けてはいたが、
目の前の光景は、顔や手を泥まみれにしながら無邪気に笑い合い手を取り合う男女だった。
しかもその男は何もかもが自分と正反対だった。
背が高く、髪は長く、常に仏のような笑みを浮かべ、聞こえる声は非常に丁寧な口調である。
そして、潔癖症の自分は絶対にやらないようなことを平気でやり笑っている。
何より・・・俺にはあんな笑顔をルーナに見せてやることは絶対にできない。
リヴァイはズタズタにされたプライドを揉み消すように歯を食いしばった。
目を離したくても離せない自分にイラつきながらズキズキと痛む胸を抑えた。
徐々に吐き気さえもしてくる。
頼む・・・
その女に触れないでくれ...
近づかないでくれ...
汚い手で触らないでくれ...
親しくしないでくれ...
しかしもう1つの心の声も響く。
その女にどうか優しくしてやってくれ
決して傷つけないでくれ
そばにいてやってくれ
たくさん愛してやってくれ
一体どちらが本音だろうか?
リヴァイは自分がどういう人間なのかさえ分からなくなっていた。