Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
全てが色を失い「無」になった世界で、リヴァイは何も考えず、ただボーッと夜の街を彷徨い、たまたま入った高級娼館でアリアを見かけた時は驚いた。
あまりにも似ていたからだ。
しかしアリアは同い年にしてはどこか大人びていて、性に関しても開放的で積極的だった。
教養もあり、話も面白く、本当に飽きさせない女だった。
これが高級娼婦という商品なのだろうか。
今のリヴァイの世界に色を落としてくれるのはアリアだけだった。
そしてアリアは普段は全く別の場所で全く違う仕事をしているらしかった。
高級娼館にスカウトされたのがきっかけで小遣い稼ぎに隠れて度々ここで働いている。
と以前本人は言っていた。
一度リヴァイが理由を聞いたことがあった。
するとアリアは、たった1人の弟の病気の治療費だと答えた。
そんな健気な彼女の性格も、指名している理由の1つだった。
「ねぇ今度デートでもする?」
「あ?俺にそんな時間がないことくらい分かってるだろう」
「いいえ。ある。時間は作るものなのよ」
アリアは度々、こういった具合に喋るので、良いように掌で踊らされている気分になることもあった。
しかし今のリヴァイはむしろその方が良かった。
「チッ、しょうがねぇな」
リヴァイはアリアの髪をすくいながら言った。