Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
シンは本当に物知りで、たくさんのことをルーナに教えてくれた。
歳はルーナの2つ下とのことだったが、口調も言動も知識も、何もかもが自分よりも歳上なのではないかと思うほど、できた人間性だとルーナは感じていた。
「ねぇ、もう私に敬語を使わなくてもいいんだよ?」
「いえ、僕は誰にでもこんな感じなので気になさらないでください」
随分と仲良くなってから、何度このやり取りをしただろうか。
そう言って目をなくして笑うシンの笑顔にいつも癒されていた。
「それより、この種をまいちゃいましょうよ。咲いたらきっとルーナさん感動しますよ!」
「ほんと?楽しみ!」
そう言って、2人は手を泥だらけにしながら種を埋めた。
泥がはね、お互いの顔についたそれを見ながら子供のように無邪気に笑い合う。
今のルーナにとって、花だけではなく、シンという存在が唯一、色の無くなったこの世界を少しずつ塗りつぶしていってくれるものだった。
「おっと!!大丈夫ですか?」
ルーナが立ち上がろうとした時に、泥に滑って危うく転びそうになったところで、シンが手を掴んでくれた。
「あっ!ありがとうっ」
そう言って握り合った手は、2人とも泥だらけだ。
「ははは、泥だらけだ」
「僕もです」
また2人は笑い合った。
こんなに異性と笑い合ったのは初めてだとルーナは思った。