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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第15章 無の世界■


それからというもの、ルーナには異性がやたら近づいてくるようになった。

今まで、人類最強のあのリヴァイ兵長の影が常にあったから近づけなかったと言わんばかりに、食事中も、訓練中も、掃除をしているときでさえ、やたらと話しかけられるようになったのだ。

これは別にルーナが特別モテているというわけではないことは理解していた。
いつ己が死ぬか分からない現状に、兵士の間では恋愛は一種の娯楽のようにもなっており、中には単なる「リヴァイの女だった」という興味から来ている者もいることも理解していた。

もちろんルーナは誰の前でも持ち前の明るさで笑顔を作ってはいる。
しかし、無理やり自分を笑わすのがこんなに疲れると感じたのは初めてだった。


愛する人が自分から離れ、どうしようもないくらい価値のない自分に成り下がり、1人になったこの世界は、色も音も匂いも何も感じなくなった。
「無色無音無臭」となった、文字通りの「無」の世界があまりにも空虚で、それを何かで埋めたくて、最近は掃除以外に花壇に水やりをすることにした。


そういえば...これだけはまだやったことなかったんだよな...

ルーナは鮮やかな花々を見て、少しずつ自分の世界に色が足されていくような気がした。


一番好きな色である紫色の花を目にし、鼻を近づけた。

「わぁ...すごくいい匂い...」

無臭の世界に匂いも足されていく感覚がして、嬉しくなって呟いた。


「それはラベンダーですね」


突然後ろから声がして、驚いて振り返る。


そこにはスラっと背が高く色白で少年のような無邪気な笑顔の1人の兵士が立っていた。
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