Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第15章 無の世界■
リヴァイは、もうこの世の終わりというような絶望感のみを抱え、ソファーに腰を下ろしていた。
ルーナを傷つける言葉をたくさん浴びせ、一番言ってはいけないことを口にしてしまった。
どれほど傷ついたことだろう。
傷ついたルーナの心を考えただけで、胸が張り裂けるようにズキズキと痛くなった。
リヴァイは顔を歪め、自分の胸ぐらを掴んだ。
どうしてあの時、無理やりにでも話を進めなかったんだ...
なぜ怒りに任せてあんなに酷いことを言い続けてしまったんだ...
疲れていたから?寝不足だから?ルーナにずっと触れてないから?
そんな言い訳はしたくない。
愛する女をあんなに傷つけて、もう俺は何も言えない。言う資格がない。
ルーナを抱きしめることもキスすることも、いや、触れることさえも許してもらえないだろう。
なにが一生守る、だ。
俺が今できることは、もうこれ以上彼女に近付かずにせいぜい彼女を傷つけないようにすることだけだ。
ただ、最後に、愛してやまない女の名前だけ呼ばせてくれ...
これで...最後にするから...
「ルーナ...」
消え入りそうなほど掠れた声で呟き、目を瞑り歯を食いしばった。
床には落ちたナイフがそのままに、切っ先がまるで自分を責めるように光を放っている。
机に置かれたお揃いの2つのティーカップが行き場をなくしたように佇んでいた。
今リヴァイは、自分の部屋にあるそこかしこの物たちが、全て自分を責め立てているように感じていた。