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Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛

第3章 call of silence


屋上につくと、秋にしては少し肌寒い風がヒューと音を立てた。
真ん丸に浮かぶ黄金の月が2人を見下ろしていた。


「私なんかの話を聞いても面白いことなんてないよ」

「それは俺の話も同じだろ。」

「いや、リヴァイの話はどれも興味深い。もっと聞きたいって思うから、全然退屈じゃないし、飽きないよ。」


くすくすと笑う彼女をますます変な奴だと思って横目で睨む。


「俺だってお前の話に興味がある。お前のことに。そしてそれを退屈か、そうじゃねぇか決めるのは俺だろう」


ルーナの笑みが消え、強く下唇を噛んだ後、また夜空を見上げる。
しばらくどちらも話さずただ夜空を見上げていた。


「…おい。いつになったら話す気になるんだ?」

「・・・リヴァイ。聞き終わったあとも、これまで通り変わらず私と仲良くしてくれる?」

リヴァイは無機質な真顔でルーナに向き合った。

「なんだ、そりゃ。」

「私のことを知れば知るほど、きっと離れたくなるということだよ。私は皆が思ってるような人間じゃないの。」

頬杖をついて呟くように言うルーナに、リヴァイは力強く返す。

「なぁ、なぜお前はなにもかも完璧でいようとする?不完全なままじゃダメなのか?」


ルーナは眉を下げてチラリとリヴァイを見る。
少しの沈黙が流れてから、消え入りそうな声を発した。



「私はね、リヴァイ。...泣けないの。」


「あ?」


いきなり何を言い出すのかと思い、訝しげに視線をルーナに送る。



「涙が出ないんだよ。どんなに悲しくても悔しくても、泣けないの。」



またヒューと風がなびき、ルーナの美しい長い焦げ茶色の髪が彼女の顔にかかった。
リヴァイはジッと彼女を見つめるがその髪のせいで表情が分からない。


髪を手にとり耳にかけながら月から目を逸らし、遠くを見るルーナは静かな声で呟いた。



「母親を殺した日から。」






今彼女はなんと言った?聞き間違いだろうか?


リヴァイはどう聞き返せば良いのかわからず黙って次の言葉を待った。
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