Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第14章 画家
ダリは、およそ2ヶ月半で全ての絵を完成させた。
リヴァイ班の皆は泣いて喜んだ。
そこに描かれているリヴァイはどれも動き出しそうなくらいリアルにそしてそっくりそのまま本人が飛び出してきそうなほど精巧に描かれていた。
これにはリヴァイ本人も驚きを隠せない様子で「あんたすげぇな」と画家に洩らし、画家が言う金額よりはるかに高値で買い取った。
そして、もう1つの絵がエルヴィンの部屋に届けられた。
万年人手不足の調査兵団とはいえ、少なくとも200人近くいる。
それを短期間でどのような仕上がりになったのか、その部屋にいるエルヴィン、ルーナ、リヴァイは息を飲んだ。
「なにしろ大きいから、ルーナさん、そっちを持ってくれるかな」
ルーナはもちろんと言って画家の持つ反対側へ行き、ゆっくりと紙を広げていった。
そこに広がる光景に3人は言葉を失った。
1枚の絵に描かれている大勢の兵士たちはまるで1つの自由の翼のように描かれていた。
男女の美しい筋肉も実に精巧に描かれており、一人一人が違う方向や違うポーズで視線も様々だが、それがよりバランスよく、まるで生きているかのように映し出されていた。
背景には自由の翼のエンブレムが大きく描かれている。
「美しい」それ以外の言葉が見つからなかった。
こんなに美しく素晴らしい絵は見たことがなかった。
ルーナは、もしも涙が流せたら、今自分は号泣しているだろうと思った。
「わしはこんなに大作を描いたのは初めてじゃ。良い経験じゃった」
長い沈黙を破るようにダリが言った。
「ダリさん、本当にありがとう...素晴らしすぎて言葉が見つかりません」
ルーナが震える声で呟いた。