Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第14章 画家
兵団内でも瞬く間に噂が広がり、誰があの画家に選ばれたか、誰が選ばれそうか、自分はどうかなどという話で持ち切りになった。
ルーナの言うように兵士の士気が格段に上がっており、そして良い息抜きにもなっていると分かってエルヴィンは胸を撫で下ろした。
その日の会議でも、ハンジが真っ先に話題に出した。
「私も選ばれちゃってさぁ〜!なんならストールなんかなくても良いからドンと描いてくれって言ったんだけど」
「チッ、クソメガネが」
「私もそう言ったら、別の機会にねなんて言われちゃったよ〜アハハ」
ナナバが笑いながらリヴァイの背中を叩いた。
「触るなクソ女」
「あの画家、俺の腹筋見て子供みたいに目を輝かせてたんだ。ちょっと気持ち悪かったなぁ」
ミケがボソリと呟いた。
「私も人前で上半身をさらけ出すなど訓練兵以来の話だからな...戸惑ってしまったが...出来上がりには期待できそうだ」
エルヴィンが大真面目に言うので笑いをこらえるのにルーナは必死だった。
「しかし、壁外調査は明日だ。明日はあの画家は兵舎には入れない。そう伝えといてくれよルーナ。」
そう、明日はルーナが調査兵団に戻ってから初の壁外調査だ。
画家のためにも全員で生きて帰還しなければ。
そう己を鼓舞してみても、やはりそれが不可能なことは心のどこかで分かっていた。