Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第13章 男女■
「ごめん...私、最低でどうしようもない女だね...やっぱり今のは忘れて」
そう言ってルーナは湯の中で握っていた手を離そうとした。
ギュ...
しかしリヴァイのその手はものすごい力が込められてルーナの手を離そうとしない。
「っ!...リヴァ...」
「じゃあ!!」
突然リヴァイが大きな声を上げ、ルーナは驚いてリヴァイを見た。
リヴァイは相も変わらず片手を額に置いているので目が見られない。
しかし、口元は歯を食いしばり俯いていた。
「じゃあ俺はどうなるんだよ!」
「・・・え?」
「初めからお前のことを女としてしか見てこなかった俺は!どうなるんだ?!」
ルーナは呆然としたまま固まってしまった。
この男は自分のことをずっとただの女として見ていたというのか?
私は...兵士だし、人類のためとか言っておきながら本当は自分の夢のためだけに戦い続けてきた。
人を騙し、仲間を騙し、貴族連中を騙し、仲間を見殺しにし、ぶつけようのない感情をただただ巨人を削ぐことに注いできた。
私は表向きは部下や民衆に尊敬の眼差しを受けるような兵士に映ったりもする。
しかし私を深くまで知れば誰でも「異常な兵士」に映るはずだ。
同じ目的を持ったエルヴィンを除いて
私はエルヴィン同様「悪魔」に映るはずだ。
だから私は私のことを...深く知られたくなかった。
だから恋人を作らず、異性を避けて生きてきた。
しかしどういうわけか、
リヴァイという一人の男を愛してしまった。
止められなかった。
自分の気持ちも、自分の言動も行動も何一つ止められなかった。
こんなことは初めてだった。
こんなに自分の感情を制御出来ないことが、
初めてだった・・・
だから私は諦めた。
愛するこの男に、このたった1人の男にだけは、
異常だと思われても悪魔だと思われても...仕方ない。
そう諦めていた。