Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第13章 男女■
2人が医務室に入ると、包帯を頭に巻かれ、目が覚めたのか、
ヒィィ〜と悔しそうな顔で呻いているオルオと、
その周りをエルド、ペトラ、グンタが囲っていた。
ルーナとリヴァイに気付き、皆一斉に姿勢を正して敬礼した。
「あっ!いいのそんなのは!オルオも動かないで!」
ルーナが急いで止めた。
「調子はどうだ?」
リヴァイがオルオに目を向ける。
「へっ兵長!お、俺は全然余裕っす!ヘマしてすみません!」
「私が訓練の邪魔しちゃったから...怪我させちゃってごめんなさい」
ルーナはオルオに頭を下げた。
「やっやめてくださいよ!ルーナさん!」
オルオの必死の表情に、
「そうですよルーナさん、こいつが不注意なのが悪いんですから」
「えぇ、ルーナさんが謝ることではありませんよ」
ほかの班員が口々に言った。
「それよりルーナさん、戻られたんですね」
「うん。これからはまた調査兵団としてやっていくから皆もよろしくね」
リヴァイ班の皆は安心したような顔で2人をみて微笑んだ。
「それよりお礼が言いたくて...これ...」
そう言って2枚の絵を差し出した。
「いいんです。私たちがお2人にできることなんてこのくらいしかなくて...」
ペトラが眉をひそめて笑った。
「これのおかげで本当に助けられたの。感謝してもしきれない。いつかきちんとお礼をさせてほしい」
あまりにも真剣な眼差しのルーナに、班員一同押し黙ってしまった。
「お前ら...何か欲しいもんはあるか?」
しばしの沈黙を遮ったのはリヴァイの言葉だった。
「い、いえ、自分たちはリヴァイ兵長に指名されて直属の部下になれただけで幸せなんです!」
「そうですよ!リヴァイ班になれただけで私たちにとってこれ以上のものはないんですから!」
「リヴァイ兵長直々に訓練もしていただけていて、これだけで充分です!」
まさか自分たちも実はリヴァイの絵が欲しいなどとは言えない班員たちは口々に言った。
「・・・じゃあ私たちで考えておくから」
そう言ってルーナとリヴァイは医務室を出ていってしまった。
リヴァイ班は顔を見合わせると、ホッとしたように笑った。