Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第13章 男女■
ルーナは自分の両頬にパシンと手を置き、真剣に目を凝らした。
「っ!?えええ?!リヴァイ?!」
その物体の正体は紛れもなくリヴァイだった。
「おい!てめぇら!!まだ一体も巨人を倒せてねぇぞ!」
よく見ると、リヴァイ班は各々一生懸命巨人の模型のうなじを狙っているのだが、リヴァイの目にも止まらぬ速さの四方八方からの闇討ちや、わざと視界を遮るように飛ばしてくる枝や木々で、バランスを保っているだけでも精一杯のようだった。
ルーナでさえ、本気で集中しないとリヴァイの動きが見切れない。
しかし、並の兵士であれば瞬殺であるだろうが、リヴァイ班はなんとか姿勢だけは保てており、それだけでもかなり大したものだとルーナは感心した。
リヴァイ班たちは汗を光らせ息を上がらせて必死になって飛び回っていた。
みんな、頑張れ!諦めるな!行けー!
ルーナは心の中で何度も叫んだ。
「うおおおおおおおおおお」
その時、オルオがうなじめがけて勢いよく飛んで行った。
リヴァイはその瞬間を逃さず思いっきり大きな丸太を投げつける。
「ああっ!!!危ない!!!!!」
ルーナは思わず大声で叫んでしまった。
それに気付いた全員が動きをとめた。
「え...?グハッッ!」
オルオは見事、頭に丸太が命中し目を白黒させながら落ちていった。
それをリヴァイが瞬時に受け止め地面に降り立った。
「ルーナ・・・」
リヴァイは、だらんと気を失っているオルオを片腕で抱えながら、ルーナを見つめ呆然と立ち尽くしている。
「こいつを頼む」
リヴァイはそう言ってエルドたちにオルオを渡すとルーナに近づいて来た。
エルド、ペトラ、グンタが、リヴァイの背後からルーナに笑顔を向けたあと、オルオを運びながら去っていった。
「ごめん、訓練の邪魔し...」
ルーナが言い終わる前にリヴァイに強く抱きしめられる。
「リヴァイ...」
ルーナも強く抱きしめ返し、リヴァイの頭を撫でた。