Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第13章 男女■
解散後、ルーナはエレンだけを呼び止めた。
「思い出したことがあるの。言おうか迷っていたけどやっぱり今言うことにしたから...聞いてほしい。」
「...え、なんですか?ルーナさん。」
真剣な面持ちのルーナにエレンは訝しげに言った。
「私は元々あなたを知っていた。あなたのお父様は医者って言ってたよね。私の両親も医者だった。私は幼い頃、まだ赤ん坊だったあなたに会っている。」
「ええ?!」
エレンは目を丸くしてルーナを凝視した。
そう、その目だよ。赤ん坊の頃と何も変わってない。
生まれた時からそのままの穢れのない澄んだエメラルドの美しい瞳。
「医者同士で、両親とイェーガー先生には交流があったから。でもエレン、あなたが覚えていないのは当然だから気にしないで」
フッと笑いながらルーナが言った。
「どうして・・・それを今?」
「...あなたのお父様は行方不明なんですってね。私の父の死因とも関係あるんじゃないかと思ってるの。」
「え...どういうことですか」
不安げなエレンの額に汗が伝った。
ルーナは自分の両親のことで思ってきたことなどを今言える範囲のみ話した。
「エレン、何か思い出したら教えてね。調査兵団で待ってる」
ズキッ!
父親のことを思い出そうとするとエレンはいつも頭が割れるように痛くなる。
ルーナの話してくれた内容にも激しく動揺していた。
しかしエレンはますます調査兵団に入らなくてはならないと確信したのも事実だった。
笑顔で背を向け歩を進めるルーナをいつまでも見つめながら、エレンはこれからの自分に覚悟を決めるように左胸に拳を置いた。