Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第1章 変革の一翼
「立体機動の腕も見事だった。あれは誰に教わった?
...お前がリーダーだな?兵団で訓練を受けたことがあるのか?」
地下街の裏路地でエルヴィンの声が静かに響く。
両手を後ろに拘束された3人は依然睨みを効かせた鋭い目線を同じ男に向けていた。
「...どうやって私たちを殺して逃げてやろうかと言った顔だな。
出来れば手荒なマネはしたくないのだが...」
ドガッ!
ミケがリーダーと思わしき三白眼の男の頭を掴み泥水に押し付けた。
歯を食いしばり目線だけで今にも飛びかかってきそうな顔をエルヴィンに向けている。
すると、あとの二人が焦ったような悔しそうな顔で声を荒らげた。
立体機動は自分たちがゴミ溜めで生きるために独学で身につけたのだと。
下水の味を知らないお前らには分からないだろう、と。
(本当に独学?今日は調査兵団の中でもあえて腕の立つ者を集めてここへ来たというのに、それをあんなに悠長に鳥のように飛び回って退けていた。
独学だったとしたら...この3人は...)
ルーナはエルヴィンの斜め後ろに立ちながら驚きを隠せないでいた。
リヴァイと名乗ったその三白眼の男は視線だけルーナにも向けた。
目が合ったのは実際コンマ数秒だったのかもしれない。
でも
その男の目の奥に宿る青白いなにかは、どこかで見たことがあるような気がしてルーナは目が離せないでいた。
エルヴィンが問掛ける「取り引き」に、
リヴァイは 「いいだろう。調査兵団に入ってやる」
静かに、しかし尚も凄みを効かせた鋭い視線のまま静かに答えた。
あぁ、新たな狼煙が今、上がってしまった。
こうなることは計算済みだったはず。
しかしルーナはこれから先の未来を想像し眉を寄せながらエルヴィンに目線を走らせた。
エルヴィンはすでにルーナを見ており大きな青い瞳でコクンと小さく頷いた。
それはすでに覚悟を決めている顔であった。