Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
画家は快く引き受けてくれた。
それからその画家は壁外調査がある度に、調査兵団の往復でリヴァイを見かけてはものすごいスピードで書き進める。それを繰り返していった。
そしてルーナに関しては前もって特徴を聞いていたのもあるが、訓練兵団で教官らしき女性は1人だけしか見当たらなかったのですぐに見つけることができた。
ありがたいことに、訓練場は画家の家のすぐそばで、2階の望遠鏡で窓から覗けばほぼしっかりと顔が見えた。
「ふむ・・・なんだか盗み見しているようで申し訳ないが...なかなか良いものが描けそうじゃぞ。あやつらは言い値で良いと言っとるし、たっぷり頂こうとするかの」
ヒヒ...と画家は笑いながら楽しそうにペンを走らせていった。
2ヶ月後・・・
ペトラとオルオが買い出しついでにベンチに腰掛けている画家の元を訪れると、画家は眼鏡を光らせながら、「ほれ」と封筒を渡してきた。
「え!もう出来あがったのですか?!」
驚くペトラに画家は言った。
「わしは天才じゃからな。で?代金は言い値で良いと言ったな?」
「はい!もちろんです!私たち班員で出し合いますから」
じゃあ...と言い、画家が言い放った代金はあまりにも安値だったのでペトラもオルオも狼狽えた。
「美男美女を盗み見しながら自分の絵に興すなど非常にスリリングで楽しかったぞ。またやりたいくらいじゃ」
ケケッと不気味な笑みを浮かべて代金を受け取ると背を向け歩いていってしまった。
ペトラとオルオは画家が見えなくなるまで頭を下げ続けた。