Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
「お前らは明日何をしてると思う?」
「!?」
新兵たちは、いきなり何を言い出すのかと言った顔になった。
「明日も飯を食ってると思うか?明日もベッドで充分な睡眠をとれると思っているか?・・・隣にいる奴が...明日も隣にいると思うか?」
皆ちらちらと目を泳がせた。
「俺はそうは思わない。
そして普通の奴はそんなことは考えないだろうな...つまり俺は普通じゃない。異常な奴だ。異常なものをあまりにも多く見すぎちまったせいだと思ってる。」
新兵たちは冷や汗をかきながらジッとリヴァイの顔を見つめている。
「だが明日、また壁が突破され異常事態に陥った場合、俺は誰よりも迅速に対応し、戦える。
明日からまたあの地獄が始まってもだ。お前らも数々見てきたあれが...明日からじゃない根拠はどこにもねぇんだからな」
全員が、ウォールマリアが破壊され巨人が押し寄せたくさんの人間、たくさんの大切な人たちが死んでいったあの日を誰もが思い出していた。
ルーナもポーラのことを思い出し、ギュッと目を閉じた。
「しかしだ。こんな毎日を早いとこなんとかしてぇのに壁の外には巨人がまだうじゃうじゃいて、壁の中には現実から目を背けている奴がいる。なぜだか分かるか?
自分を甘やかすことしか頭にない弱腰のグズ野郎ばかりだからだ。」
「・・・」
「いつまでも巨人に脅かされ続けるこの現状を変えるために動いているのは今調査兵団しかない。勘違いしてもらっちゃ困るから正直に言うが、俺は別に調査兵団の勧誘のためにここに来たわけじゃない。
俺は今日こいつに会いに来ただけだからな」
そう言ってリヴァイはルーナを一瞥した。
ルーナは一気に顔を赤くし俯いた。
「だから別にお前らが憲兵団に行こうが駐屯兵団に行こうがどうでもいい。ただこれだけははっきり言っておく。調査兵団に入らなかったからといって命の保証はどこにもない。むしろリスクは同じだと言っていい。
つまり内地で巨人に食われるのを待つか、外で巨人と食うか食われるかの戦いをするか。それだけの違いしかない。」
全員唾を飲み込み顔を歪ませている。
「人類を救えだの守れだのと大層なことは俺は言わない。ただ・・・
自分の大切な人間を、家族を、仲間を、本当に守れる方を自分で選べ」
その場の空気が変わった。