Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
一部の新兵たちの異変に気付き、目を向けると、全員同じ方向をちらちら見ながらなにやら騒いでいるようだった。
新兵たちの目線の先に目をやると、ルーナは一瞬幻か何かかと思い息が止まり、突っ立ったまま動けなくなってしまった。
リヴァイが木に寄りかかってこっちを見ている。
そしてルーナが自分を見ていることに気が付いたのか、眉を下げて優しい顔に変わった。
その瞬間、ルーナは考えるよりも先に勝手に体が動いてしまった。
凄い勢いで走りだし、向かっていった。
思考が体に追いついていない。
何も考えずに本能のままにリヴァイに向かっていく。
そして思いっきりリヴァイに飛びついた。
「ッ!!お、おい...」
ルーナは何も言わずにリヴァイにしがみついたまま顔を埋めている。
リヴァイは新兵たちが自分たちを凝視していることに気づいていたが、諦めたように息を吐き、ルーナの体をしっかり抱き締めた。
「ルーナ...そろそろ離れないか」
ハッと我に返り顔を上げると、とても気まずそうな表情を浮かべているリヴァイの顔があった。
「リ...ヴァイ...どうして...ここに...」
「キースのジジイに届け物だ」
「そう...なの...」
「・・・それよりお前、訓練に戻らなくていいのか?あいつら待ってるぞ」
リヴァイが顎で指す先に目を向けると、目を丸くしてこちらを凝視している新兵たちの姿があった。
やばい...見られた...でももう遅い...
ルーナは苦笑いしながら休憩のジェスチャーを送った。