Lunatic Fortuna…進撃の巨人リヴァイ溺愛
第12章 104期訓練兵
しかし、相変わらずルーナは尊敬や憧れの的だった。
訓練中以外はいつも皆彼女に話しかけてきた。
今夜もいろいろお喋りしたいから一緒に食事をしようと女子の新兵たちに誘われ、
教官の自分なんかが、同期たちだけでせっかく寛いでいる食事の場にいていいものだろうかと内心迷ったが、いざ来てみると、新兵たちは嫌な顔1つせず、むしろ同じ同期の仲間かなにかかというように接してきた。
すると、突然向こうの席で口喧嘩が聞こえてきた。
「おかしいと思わねえのか?!巨人から遠ざかりたいがために巨人殺しの技術を磨くって仕組みをよ」
「けどそれが現実なんだから甘んじる他にねえな!」
「このグズ野郎が!」
憲兵団に入って内地で暮らすというのが口癖のジャンに、ついにエレンが切れたようだった。
「才能ねぇからって僻むんじゃねえよ!」
ジャンがエレンの胸ぐらを掴みながら吠えた。
「どうやって巨人に勝つってんだよ!できるやつばっかが内側に引きこもりやがって!」
エレンの言うことは最もだと思った。
ルーナの時も成績10番以内の者はルーナ以外全員憲兵団に配属してしまったのだから...おそらくこの104期もそうなのだろうとルーナも薄々わかっていた。
ジャンが神妙な面持ちで口を開く。
「数年前、巨人に奪われた領土を奪還すべく...人類の人口の2割を投入して総攻撃を仕掛けた。そしてその殆どがそっくりそのまま巨人の胃袋に直行した。あと何割か足せば領土は奪還できたのか?
巨人を一体倒すまでに平均30人は死んだ!しかしこの地上を支配する巨人の数は人類の3分の1では済まないぞ!
もう十分わかった・・・人類は...巨人に勝てない...」
辺りはシンと静まり返った。
皆うつむき黙りこくった。